自家現像をしようと決めてから、いろいろ調べていくと現像の廃液をどう処分していいかという疑問にぶちあたった。現像後の廃液処理に関しては今でも賛否両論あって、下水道に流しても大丈夫という人もいれば、家庭ごみと一緒に出していいという人もいれば、専門の業者さんにお願いすべきという人もいる。安全データーシートを参考に現像液の成分を調べていくと、確かに現像液の中にはそのまま下水道に捨てても支障のないレベルのものも少なくない。しかし、それはあくまで未使用であればの話。現像処理した廃液には銀が混ざっています。固形の銀は問題ありませんが、水に溶けた銀は有害でそのまま下水道に流してはいけないのです。一度現像処理したものに関しては、やはり専門の廃棄業者さんに処理を委託すべきでしょう

私の場合はPH値8以上のアルカリ溶液である現像液は廃アルカリ、PH値7以下の中性・酸性溶液の停止液・定着液・水切り剤は廃酸として分けてポリタンクに保管し、溜まってきたら、業者さんに処理を委託しています。

※ケチって廃アルカリと廃酸をひとまとめにポリタンクに入れると有害なガスが発生するので要注意‼

富士フィルムの現像用粉末剤(ミクロファイン)のラベルには産業廃棄物として処理してくださいと記載はあるが、個人が処理業者に委託しようとすると、産廃マニフェストの制度上、個人の委託は受けられないと断られてしまいます。そのため個人事業主として地元の廃棄業者と契約しています。ちなみに全国の行政機関の中には、現像廃液でも個人の廃棄物は一般ゴミとして処分していいですよというところもあるようで、試しにある役所に電話したら本当にそういう対応をされ、呆れたことがありますw

自宅のふろ場での現像なので、環境に配慮された液体であり、無臭もしくはほぼ無臭。しかも長期保存(半年以上)が可能であること。酢酸など特有の臭いで家族を不快にさせないという基準で選ぶのですが、そのためには公開されている「安全データシート」をチェックする必要があります。ここには液剤の成分、危険度、有害性、ニオイなど細かく記載されています。パッと見、わかりやすいのはこのシンボルマーク。特に【どくろ】マークは見るからに避けたい液体だってすぐわかりますね。

 

安全データシートにシンボルマークの表示がある場合は、要注意。

使用するブローニーフィルムはコダックのT-MAX400もしくはTri-X 400 。コダック製の現像液も検討したが、選定基準をクリアしなかったので泣く泣くあきらめた。
Cinestill社製のDF96というモノバス(現像、停止、定着がオールインワン)を使えば、時間も手間も省けるが、送料がバカ高く、液体の保存期間が2ヶ月足らず。あえてそれぞれのプロセスをこだわってやってみたいという思いもあったので購入を見送った。私なりに厳選した結果、以下の現像液に決定した。
相場より価格は高いのですが、ニオイもなく、危険度も低く、実際使用しましたがとても扱いやすかったです。

初めて購入(2019年)した現像液

現像液はドイツ Moersh(マーシュ)社のEco Film Developer   
Silversaltというサイトから購入。
停止液はIlford(イルフォード)社のILFOSTOP

 

定着液はLegacypro(レガシープロ)社のEco Pro Neutral Fixer

 

水切り剤はIlford(イルフォード)社のILFOTOL