オーバーホール

今年1月、ヤフオクで500c/mを購入した。届いたハッセルは美観で大事に扱われたようだ。これまで500、503シリーズのボディを数台使ってきた感じでは若干、クランク巻き上げ時の音がこれまでと違うかなと思った程度でピントは普通に合うし、クランクも普通に回って普通にシャッターが切れる。素人目には何ら問題点は見当たらない。

でも実は、過去に誤って修理されたまま使用されてきた不良品であることに気づいたのはそれから３ヶ月後のこと。たまたまYou tubeで見たこの動画。まねして試してみたら、同じくミラーがカタカタ動いてしまう。不安になってすぐ電話でハッセルブラッドの修理技術認定店に相談したら、ボディ単体を振ってみてとのこと。やはりカタカタ音がする。音を聞いてすぐそれは後ピンですねと言われたので、点検を依頼した。ボディだけでなくレンズもマガジンもファインダーもすべてお願いした。

数日後、点検の結果がメールで届いた。

「この度は、ハッセルブラッドカメラの点検をご依頼いただきありがとうございます。下記の通り点検の結果と見積りをご連絡させていただきます。 500C/M 認定店以外で修理されています。（間違った修理）・フランジバック許容外、ピントは後ピン。・フロントキーポジション精度不良・シャッタータイミング不良、補助シャッター作動不良これ以上使用しますとレンズ破損、補助シャッター破損の恐れがあります。」

後ピンどころかとんでもないことになっている(*_*)

幸いボディ以外はすべて問題なく良好とのこと。早速、ボディのオーバーホールを依頼した。当初は1ヶ月程度かかる話だったが、優先的に作業いただいたようで、わずか10日で作業完了。戻ってきた。

届いた修理品は丁寧に梱包され、新品のような状態に仕上がっていた。修理前のあのカタカタ音は治って、バッグシャッターのパルパスは綺麗に張り替えられていた。

ヤフオクで落札した35,000円のボディに送料、そして今回の修理代を加算すると約９万円の出費となったが、これで安心して当面の間、使用できると思えば致し方ない。

ちなみに今後、１年おきとか定期的なメンテナンス時期が必要か問い合わせた。

「今回の修理で少なくとも今後１０年は大丈夫でしょう。」

実際の修理明細書

※修理店名は消しています。

ストア購入で、点検、修理済みのカメラなら大丈夫と普通は思うだろう。このボディの出品者に問い合わせるとまさしく数年前ストア購入されたものでご本人も疑うことなく使用されていたようだ。ストア側としては修理済だから大丈夫だと思って販売したか、不具合を見抜けず販売したか、真相はわからない。

思えば、地元のストアで中古ハッセルを試用したときはスローシャッターに粘りがあるのに何事もないかのように普通に販売されていたし、ヤフオクでストア購入したときも届いてすぐ、クランク巻き上げをした途端、マガジンからゴトゴト異音がして返品したことがある。

中古、ましてや１０年以上前に製造された製品はどこで購入するにしても、正常だとうたわれていても、点検、修理を前提としてその費用も想定した上で購入を検討する必要があると痛感した。